Mountain Challenge #02
HIKE & FISH「大菩薩の懐で、渓流の王に挑む」
これまでにないスタイリッシュなクーペフォルムとダイナミックなSUVの機動力を融合したクーペSUV「三菱エクリプス クロス」。荒れた路⾯でもその安定感は抜群で、常に滑らかで爽快な⾛りが楽しめる。 安⼼・安全の⾛⾏性能は、あなたの新たな挑戦を可能にし、家族や友⼈とより遠くまで出かけたくなるだろう。「Mountain Challenge」ではそんな頼れる相棒と共に、登山プラスαのアクティビティに挑戦していく。今回のテーマは「HIKE&FISH」。 登山地図アプリ「YAMAP」のスタッフが、大菩薩峠(標高1,897m)の東麓を水源とする多摩川源流の一つ、小菅川を舞台に、入渓ポイントまでの林道走破と渓流釣りにチャレンジ。源流域のイワナを求めてハンドルをテンカラ竿に持ちかえた2人は、澄み切った川を遡行しながら、幾度となく毛針を水面に打ち込んでいった。果たしてその晩のメインディッシュとなるはず・・のイワナを釣り上げることはできるのか。早速、その軌跡を辿ってみよう。
入渓ポイントにつながる未舗装のダート道も安心してアプローチ
入漁券を手に入れると、一刻でも早く釣りを始めたい気持ちを抑え、小菅川の上流域へと向かう。この川が流れる小菅村(山梨県郡内地方/北都留郡)は、秩父多摩国立公園内にあり、東京都内を貫流する多摩川の源流部に位置する。小菅村に至る国道を抜け、林道に入るとやがて道は未舗装路となり、次第に車窓からの景色も植林された針葉樹の林からミズナラやブナなどの広葉樹の森に変わっていく。エクリプス クロスの筋肉質なフォルムそのままに、その走破性も実に力強い。凸凹な路面であろうが、シートの上で感じる揺れは少なく安定した車内では途切れなく釣り談義が弾んだ。そうこうしているうちに駐車場に到着。エンジンを止めるとフィールドに踏み出す2人の釣り心のエンジンが勢いよく回り始める。
勾配の変化が多い未舗装林道をパドルシフトを使って⾛破。クーペSUV の見た目とは裏腹に、四輪が路面の凹凸をしっかり受け止め、ドライビングの楽しさを引き上げる
リアゲートの⼆分割式リヤウインドウが、後⽅の広い視界を確保
⼩菅川沿いの深い広葉樹林に囲まれた林道を上り、⼊渓ポイントに近い駐⾞場を⽬指す
蛇⾏する⼭道でも思い通りのラインをトレースすることができる直感的で軽快なハンドリング性能
エンジン⾳の静かさもエクリプス クロスの特徴。パワーウィンドウを開けると、樹々の間に姿を⾒せる⼩菅川のせせらぎが⼼地よく聞こえてくる
沢に入る準備をしっかり済ませて、いざ出発!
渓谷から樹林を抜けて聴こえる沢音と野鳥のさえずりに包まれながらテンカラ釣行の準備を進める。エクリプス クロスのシャープなクーペフォルムの外観からは想像つかないしっかり積めて使い勝手のいいラゲッジスペースには、釣り山行用のギアやテント、タープなどの2人分のキャンプ道具を積んでもまだ余裕がある。川の中を遡行しながら上流方向に釣り上がっていくため、保温素材のウエアやソックス、脛当てなどを着用し、濡れた岩の上でもグリップが効くラバー系ソールの沢靴を履く。しっかりと紐を結び、最後にテンカラ竿、毛針や行動食をバックにしまい準備完了。期待に胸を膨らませながら行うこの時間もたまらない。さて、どこから沢に下りるとするか。
川に降りればすぐに釣りを始められるように、念入りにラインをチェック。釣りは準備に費やす時間も実に楽しい
1泊2⽇のテント泊⽤のギアを⼗分に積み込むことが可能なラゲッジスペース。位置が⾼く荷物の出し⼊れも楽に⾏える
濡れた岩場でも優れたグリップ力を発揮する沢登り用のシューズを着用。ラバーソールの沢靴はトレイル歩きや岩登りを含むテクニカルな遡行にも対応する
夏場であっても渓流の⽔は冷たく、保温性がある沢登り⽤のレッグガードとソックスは遡⾏しながら釣りを⾏うためのマストアイテム
出発前にYAMAPを起動し周辺のルートを見ながら入渓ポイントを探る。沢歩きもあるため特にルートファインディングを慎重に行わなければならない
林道から広葉樹林を抜けて、いよいよ沢へ
ブナやミズナラの木立の間から時折姿を見せる沢の様子を確認しながら、「ここか?ここか?」と渓谷に下るポイントを探る。逸る気持ちを抑えながら渓流に沿った林道を進み、いよいよ入渓ポイントを決め、沢へとつながる踏み跡を辿った。深い広葉樹の森は腐葉土のクッションで足裏に伝わる感触がやさしく、沢から吹き上げるしっとりとした風にそよぐ葉の隙間から漏れる光のゆらぎも心地よい。そして一歩踏み出すごとに近づく沢音が2人の足取りをさらに軽くした。渓流でのイワナ釣りはとても繊細で、人影や物音を察知されるとすぐに岩陰や深みに逃げ込まれてしまう。そのため、トレイルから河原に出る前にすでに魚との駆け引きが始まることになる。川を目の前に息を潜めて小さな毛針をラインに結び、イワナが潜んでいそうな淵に歩を進めた。
林道沿いの植林帯を抜け、広葉樹林の巨⽊の間に残る踏み跡を辿って渓⾕に降りていく
斜面についた踏み跡を辿り沢沿いをトラバースし入渓ポイントを探す。沢へのアプローチでのHIKEを楽しめるのも、渓流釣りの楽しいところ
逸る気持ちを抑えて、横たわる巨⼤な倒⽊の上で⼀息
沢⾳が次第に⼤きくなり⽔⾯の近くまで来ると、本能的に⿂影を探し視線が踊る。それにしても⽔の透明度が⾼い
河原に降り、⿂に気づかれないように気配を消してテンカラ竿を繰り出す
難しいプロセスを楽しむ ”テンカラ”フィッシング
テンカラ釣りは魚を捕らえる瞬間だけではなく、魚が捕食しそうなポイントに毛鉤を打ち込んでいく一投一投の駆け引きも実に面白い。川面にせり出した樹木から落ちるアリや甲虫、風で煽られて水面を流される小さなカゲロウなど、自然界で起きている事象の観察力と想像力に加えて、野生の魚の目の前に毛鉤でそれを再現する表現力が求められる。それが一つになると、観念したイワナが毛鉤を一瞬で奪い去り、それにつながるラインはそれまでと違った方向にピンッと走る。「きたっ!」考える余裕はない。その一瞬の出来事に反射できれば、言葉で表現しがたい振動が立てた竿を握る手首に伝わる。あの振動が病みつきにさせてしまうのだろう。水面に現れた魚影を慎重に手繰り寄せ、ネットに納めた瞬間にこの騙し合いの勝敗がつくことになる。
魚が潜んでいそうなポイントに一投一投正確に毛鉤を打ち込んでいく。一日にそれほどチャンスは無いので、一瞬のアタリを見逃すわけにはいかない。
小さな昆虫に見立てた毛鉤。「水面を浮かせるのか水中に沈めるのか?色は?形は?」魚が潜んでいそうなポイントを見ながら毛鉤を選ぶことは、楽しくそして難しい
渓流魚は人影にも反応して深みに逃げ込んでしまうので、川幅が狭い場所は身を屈めて近づく。樹木が川面に被っているポイントでは、枝から虫がポトリと落ちるイメージをして毛鉤を水面に落とす
流れこみのある淵の底からイワナが毛鉤に飛びついてきた。ランディングネットを使って慎重に取り込む
堰堤の脇から⽑鉤を追いかけてきたイワナ。サイズはそれほど⼤きくないが引きは強かった
釣った後は食す。挑戦の後は釣り談義キャンプ
日没を迎える前に納竿し、駐車場までの林道下りがはじまる。本日の釣果はイワナ4尾。釣果に応じて足取りが大きく変わるのも面白いところ。小菅村のキャンプ場に車を走らせ、タープとテントを張れば炭を熾して調理を開始。メインディッシュはダッチオーブンで炊くイワナの炊き込みご飯。1尾も釣れなければ普通の炊込みご飯になっていたところが今回は串焼きをする余裕まである。釣り談義に年代の差は関係なく、メインディッシュを待つ間も話題が途切れることはなかった。そして、いよいよ蓋を開けると、覗き込む2人の顔を溜まった湯気が包み、その後に2尾のイワナが姿を表した。「これはウマイ!」「これは俺が釣ったやつだ!」そう言い合い、1尾1尾を掛けた時に手首に響いたあの振動にもう一度浸りながら気持ちのよい夜が更けていった。
メインディッシュのイワナの炊き込みご飯。ダッチオーブンを炭火にかけてじっくり熱をかけながら旨味をぎゅっと凝縮
オートキャンプサイトに到着する頃にちょうど⽇が暮れた。エクリプス クロスの隣にテントとタープを設営し本⽇の野営基地を広げる
炊き込みご飯に⼊れた残りのイワナは串に刺してシンプルに塩焼き。炭⽕で⾻までカリッカリに焼き上げた最⾼の酒の肴
自分で釣った魚ほど美味いものはない。最高のひと時
空腹も満たされ、釣り談義に花を咲かせながら気分のよい夜が更けていった